チヨミ教官による、「空軍」斜め読み講座。「始まり始まりぃ、です」。

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ジェット機・戦闘機の説明等のような、言わば「戦術級」の説明の前に。
まずは空軍の歴史も踏まえながら、空軍全体の言わば「戦略級」。つまり一般説明をしたいと思います。

とは言え、こんな所で語り尽くせるものではありませんので。極めて端折った端的説明とします。
あまりに端的・分かりやすい部分に重点を置くので。「正確さ」に欠ける部分もあるかも知れないので、ご了承下さい。


また「雑」な合成ですみません・・・。

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− 第一章 −

ご承知の通り、陸・海・空の三軍の中で、空軍は最後発の軍事組織です。
陸海軍成立の歴史はあまりに古く、もはや源流を探究する事はできませんが。空軍だけは、これが完全な形で分析する事が出来るわけです。

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とは言え、そう簡単にいかない部分も実はあります。
航空機が軍事力として認識され始めたのは、第一次世界大戦前夜の頃ですが。
この頃、空軍兵器は文字どおり日進月歩、また各国共に「ドングリの背比べ」の状態であり。

さらに、これが機密の多い、軍事関係の事象である事も手伝って・・・。

実のところ、「どの国がパイオニアか?」という論議は難しい部分もあります。・・・が。
筆者の見解からすれば、まぁドイツ・フランスが早かったように思えます。

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アメリカ人のサミュエル・コーディーという人が、「儲け」のために。当時の大英帝国に「空軍設置」を持ちかけたのですが、イギリスはこれを断り。
その間に、特に独仏が。まずは「偵察機」を導入したからです。

それまで「陸軍航空隊」とか、「海軍航空隊」だったものを。「空軍」というカテゴリを、最初に導入したのはイギリスですが。
まぁこれは、言葉の上での話しなので。独仏が先駆けと、紹介しました。

上写真、左黒板、上が空軍最初期の「偵察機」。

下が最初期の「戦闘機」。

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もちろん、すぐさま大英帝国も空軍力を導入しました。
そして英独仏。列強大勢力が空軍を導入すれば、もはや空軍は発展の一途を辿ります。

「あれっ、アメリカは?」。
実はアメリカは第二次大戦参戦以前は、「モンロー主義」という。いわばヨーロッパに対する「客観的」立場を採っていたため。
そもそも空軍どころか、この時点では軍事力強化の必要性を認識していなかったのです。

アメリカも兵器開発には余念がありませんでしたが、戦争・参戦・侵略の危機感はほとんど無かったので。
「ヨーロッパへの兵器輸出」。つまり「特需」が主な目的だった、と結論付けても良いでしょう。

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− 第二章 −

「そもそも論」ですが。ご承知の通り。「空軍だけでは戦争には勝てません」。ところが一方で、「最強の破壊力を持っているのも空軍」です。

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しかも「破壊力」だけではなく。超音速戦闘機に至っては、「最強の防御力」も兼ね備えています。

「そんなバカな、1ミリ以下のボディなど。戦車の装甲とは比べられない」。
ここで言ってる「防御力」とは、「破弾性」ではなく、弾をよける能力。いわゆる「避弾性」の事です。

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ハッキリ言って、マッハ2以上の速力を有する超音速機は。「ほとんど」人類の持つ兵器で、打ち落とす事ができません。
「そんなバカな、ミサイルはマッハ3とか5とか出るじゃないか」。

もちろん攻撃の意思があれば、撃墜される可能性がありますが。「逃げ」に徹したらほとんど「お手上げ」です。
追いつくまでにミサイルの燃料が尽きてしまうのです。

上写真、中央黒板の写真が「MIM−23 ホーク」地対空ミサイル。

このクラスのミサイルになると、射程30Km以上。
高度3万フィート(約1万m)以上の迎撃能力を有しますが。
それでも、すぐに逃げれば、ほとんど追いつけないでしょう。

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「空軍力だけでは戦争に勝てない・・・」。
空を飛んでいるだけでは戦争終結できない事は。「防空壕にこもった政府組織を屈服できない」事実を、多くの「戦争」が証明していますよね。

そう。戦争と言うのは、敵政府組織を消滅させ、傀儡政権・暫定政府・新政府等を樹立しない限り終結しないのです。

直近の全面戦争を例にすると。「イラク戦争」での「連合国暫定当局(CPA)」樹立があります。
つまり戦争は、究極的には「陸軍」だけが、終結のアドバンテージを持っているのですね。

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− 第三章 −

「戦略面」の説明は、やや難しい部分が多かったのですが。
ここから、戦術面やテクノロジー等に話を移します。まずエンジン構造・原理です。

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ラム・ジェット

マイナーなエンジン形式ですが、「あえて」最も簡単な構造の「ラムジェット」から説明します。これが言わばジェットの原点です。
エアインテークから取り入れた空気に、燃料を混合し。燃焼室で燃焼させ、その膨張したガスを後方に放出し、推進力とします。

見ての通り、自然吸気なので。「止まった状態」からは「発進」できません。
それに、素朴な疑問として。「筒」の中で爆発(燃焼)させると、圧力が前後両方に出てしまい、「前進しないのでは?」というのがありますね。
これは燃焼室の入り口が小さく出来ているので、大半の圧が後方に出る。という原理を利用しています。

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ターボジェット(軸流式)

そして吸気口にファンを付けて、「強制的に空気を取り込もう」としたのがターボジェットです。
極めてマイナーな方法として。この「ファン」を、車と同じ、普通のエンジンで回す方式もありましたが(この場合はターボではありません)。
普通はこの(吸気ファンの)動力は。排気口に取り付けたファン(ターボファン)の回転力を利用します。

吸気ファン(コンプレッサー)もターボファンも、同じファンですが。
吸気ファンは気流を作るファン(扇風機と同じ)で、ターボファンは気流を受ける言わば風車です。

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しかしコレでも、「回転し始められないのでは?」と思いますが。実はその通りで。
ターボ・ジェットエンジンも、何らかの「スターター」が無いと起動できません。

車同様、電気モーター(セルモータ)を使う場合もありますが。モーターは重いので、燃焼室に機外から圧縮空気を送り込み、起動させる方式もあります。
この場合は当然、その機体だけではスタートする事ができません。

なんと、スターター設備の無い空港に降りて、エンジンを止めると。エンジンが掛けられなくなってしまうのです。

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− 第四章 −

ジェットエンジンのバリエーションです。
とは言えコレは、エンジン全体の形式名称ではなく、各機関の分類なので。
例えばターボプロップ式でも、「遠心式」で、なおかつターボプロップ式という場合もあり得ます。

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ターボジェット

最も有名なのは「軸流式ターボジェット」です。
格闘戦用のジェット戦闘機は、全てコレと言っていいでしょう。

燃焼室から出てきた「排気」にも、酸素が残っているので。
これに燃料を吹きかけ、再燃焼させる。「アフターバナー」搭載機もあります。アフターバーナーを使うと、二倍ほどの推進力が得られます。

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ターボプロップ

輸送機「C−130」等で見られる、「ターボプロップ」エンジンです。
プロペラが付いているので、一見するとピストンエンジンのレシプロ(いわゆるプロペラ機)機と間違われ易いのですが。れっきとしたジェット機です。

通常、プロペラに90%、排気推進力に10%程度のエネルギー比率になるそうです。
普通のジェットエンジンに比べ、燃費が良いのが特徴です。

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ターボシャフト

次に「ジェットヘリ」等に使われている、「ターボシャフトエンジン」です。ターボプロップと良く似ていますが、排気を推進力に使ってません。
なので、実を言うとこれは「ジェットエンジン」ではありません。

つまりジェットヘリはジェット機ではないのです。「ジェットヘリ」と言う言葉が、独り歩きしてしまったのですね。
(上図ですとチョッと分かりづらいのですが、後方に伸びている、紫色のシャフトを。ギアで上方に曲げ、機体上方のローター・ブレード(回転翼)を回転させます)

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ターボファンジェット

最後が旅客機に良く使われる、「ターボファンジェット」です。

プロペラが見えないので、普通のターボジェットに似ていますが。吸気ファンの前に付いているファンが、プロペラの役割を果たします。
つまりターボプロップのプロペラに、カバーを掛けたようなものです。

ターボプロップ同様燃費が良く。
外側を通る気流が、ジェットの排気を「包み込む」ようなかたちになるので。ジェットの「騒音」を和らげる効果があるそうです。

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−  エンジン オマケ  −

機体前方にエンジンが付いていて。「機体を引っ張る」形式の事を「トラクト」。
機体後方にエンジンが付いていて。「機体を押す」形式の事を「スラスト」。言います。

レシプロ機はほとんどトラクト型ですが、当時の自動車が後輪駆動(スラスト型)だったため。エンジン調節レバーが「スラスター」と呼ばれるようになりました。

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又形式も、他にも「遠心式」や「パルスジェット」等がありますので。興味のある方は検索してみると面白いでしょう。
(パルスジェットは、かの巡航ミサイルの原点。KV−1のエンジンです。)

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一時間目の講義は、これでお終いデス。二時間目で会いましょう。

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「ホットスタッフ空軍 PARTV」へ。

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