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ファーストシーズンから度々紹介しておりますところの。今回のクラーンケは、一体目素体「ラハブ」さんです。

ファーストシーズンでは当初、内部構造が解らず。外へ飛び出した「針金」を、スプリングの関節保持装置(クランプかテンショナー」と思っておったのですが。患部を開いて検証したところ、どうやら関節の単なる「シャフト」だったようです。

ホットスタッフの足首の関節は、大変に強い保持力を誇り。
言葉は悪いのですが、他の「軟弱素体」と違い。かなり「自立」性が高く、かなりきわどいポーズでも、スタンド無しで自立できます。(片足自立も朝飯前です)

← 左手をかすかに壁にあてていますが、今ではこんな事できなくなってしまいました・・・。在りし日のチヨミさんです。ドール「殺すなー(怒)!」。 作者「凄く足が上がるけど、チヨミさんはV1前期型だったんだね」。

ところが、この強い保持力と裏腹に。足首・足裏の骨格パーツは、残念ながらお世辞にも頑丈と言えない。むしろ「貧弱過ぎ」とも思える構造になっています。

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故あって。
ビザールクイーン様ページにおきましても、取り扱い注意事項として。この部分を可動させる時は、「足首全体を持って動かしましょう」と説明されています。
とは言え、撮影の際は。どうしても重心の調節するのに、「こじる」ように動かしてしまうことがままあり。

結局ラハブさんはもちろん、気をつけていた「チヨミ素体」も、同じ部分を骨折させてしまいました・・・。

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今回の治療は。
重度の複雑骨折に重ねて、縫合部(患部開口部)も大きく。大変に困難な「手術」が予想されます。

その点、大部分の「ホットスタッフ・オーナー」様においては。これをもって「死亡判定(CATEGORY 0)」を下すオーナー様もいることでしょう。

これ程重度の症状が、いとも簡単に起こってしまうという事は。残念ながら「真に遺憾」と言えるのですが。

ホットスタッフ(イデション)はパイオニアですし、他には無い「オンリーワン」です。

なので、「出来る限りの手はつくそう」というしだいです。

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「治療計画(修理計画)」を立てましょう。
外皮の縫合については他のページをご参照ください。

← 「かかと」部分の骨格。よく見えませんが、「つま先」部分とは、写真右下の薄い部分で繋がっています。

まず問題になるのは骨格の素材です。

見た感じでは軟質ビニール(ポリプロピレン)のようでもありますが、強度部品なので、ナイロンとかジュラコン等かも知れません。

ポリプロピレンはご存知の通り、「接着剤の入れ物」に使われているように、接着剤で接合するのは、ほぼ不可能です。
飾って置くだけならまだしも、相応の接合強度を得るには。「ホットメルト」しか無いでしょう。

しかしこの患部は、骨格は患部の奥にある上、可動部分に近いので、ホットメルト・ボンドでの接合を無理でしょう。
接着剤を受け付けないのならば、仕方が無いので、補強材をボルト止めしなければならないでしょうか?(本当の骨折治療みたいですね)。

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ナイロンは「抜群」に、「耐摩耗性」に優れます。

ご存知日本の「テイジン!」ですね。 ドール「チョッとお、それはシックス・ナイロンじゃないの?」 作者「だっけか?」。

「ロックナット」や「ハンマー・キャスター」等で有名ですが、逆に「引っ張り強度」はそれ程ではありません。

調べてませんが、作者の経験則からは。プラモの「スチロール樹脂」よりモロいように感じます。

つま先を持って上下させると、この部分に強い引っ張り応力が働くので。それが原因で折れた(チギレた)のでしょう。

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「ABSなら助かるんだけど・・・」。等と祈りつつ、手持ちのボンドを集めてみます。これらを「一つ一つ」試して行く訳です。

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追記。

「ダメでした・・・。」。接着剤全滅です。
塩ビも接着が難しいので、塩ビかなと思い、塩ビの溶着剤もやってみましたがやっぱりダメ。

← 「カルテ」を書いてみる!。

仕方が無いので。どうしても付かなかったら、足の裏に補強板をボルト止めするか。
もしくは半田ゴテとホット・メルト・ボンドで溶着するか。

「後で考えよう」と言うことになりました。

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こういう場合は、そのパーツ全体をリペア(粘土パテ)するのが一番早いのですが。

つま先側の骨格には、足の指パーツがインサートされているので。
シリコン外皮から取り出すことができず。

この場合、全体的に作り直すのは不可能です。

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この方法は後ほど紹介しますが、「ダメなら「かかと部」のみ作り直そう」。
という考えの下。「とにかく前へ進めましょう・・・」、と、なりました。

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足裏骨格の強度が、思うように確保できないようなので。
その分、シャフトを太く強化して。足首骨格パーツ前後部分の「一体化(強化)」を図る方針で進めてみます。

シャフトは「針金」に変えて、「精密ボルト」を使います。

← 上M1.7(直径1.7ミリ) 下M1.2。

今回はM1〜M1.7までの、色々な長さのボルトを買ってきましたが。M1.7しか、どれも長さが足りなかったので、M1.7を使います。

本当は、足裏パーツ前後部分をそれぞれボルトに固定(接着など)して。
足首ユニバーサル・ジョイントの、継手パーツ側のシャフト穴を「バカ穴」(直径を大きくする)にするのがベストです。

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しかし。
つま先側はボルトをねじ込めば、なんとか固定できそうですが。かかと側は、ボルトとの接合部分が少ない(短い)ので、固定は無理そうです。

更に問題点として。 ドール「まだあるの」 作者「大手術だよ、ホント・・・。」。
元々。継手パーツと足首パーツとの、可動部分の「隙間」に。シリコンが流れ込んでおり。「これが関節の「保持装置」の役割を果たしていた」可能性が考えられます。

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← 「座グリ」。母材の穴入り口に平らな部分を作り、ボルトの「首」(平らな部分)が掛かるように加工する。

つまり、今回の手術で、この(流れ込んだウエハー状)シリコンを取り除き。

更に、継手パーツのシャフト穴をバカ穴にしてしまうと。

足首関節の保持力が無くなり、グラグラになってしまう懸念がでてきました。

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仕方が無いので、継手パーツのシャフト穴も。下穴(ボルトのタップ穴径)に留めて。
キツめの状態で、「かかと」「継手」「足先」。三つのパーツを、ボルトを無理やり「ねじ込む」事にしました。

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追記PartU。

方針が決まった事で、やってみましょう「ヒァウィゴー!」でーす。
ドール「チョッとお、足裏くっ付ける方法決まってないじゃない」「大丈夫なの?」 作者「決まってるせー」「決まってないって事が」 ドール「(怒)!」。
作者「へーきへーき」「今まで色々な物作ってきて、「これは大丈夫げ」ってのが、何となく分かるのよ。ホント」 ドール「聞いたわたしがバカだったわ」。

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という訳で。進めます。

← 材料が恐ろしく軟らかいので「ピンバイス」を使いましょう。

とはいえ。作者はφ1.5(M1.7の下穴径)がくわえられるピンバイス持ってないし、このために買うのもなんなので。

ルーターの電源を入れず、手回しで穴あけします。 →

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穴が開きました。(反対側が平らなので、反対側から開けました)

これにボルトをねじ込む訳ですが。どうもこの状況から見て、母材が割れてしまいそうなので。
タップを立てます。が・・・。M1.7は持ってないし、これからも永遠に使いそうにないので。買わずに。

同径の、もっと長いボルトを「加工」して。「タップの代わり」とします。
写真は紹介しませんが、「タッピングビス」のように。ボルトの先端から、縦方向に「キー溝」を入れて代用します。

← 座グリを「さらい」ます。

精密な時は、やっぱり「超硬ビット」がベスト。砥石を使うときは、よく「ドレッサー」掛けてからやりませう。

出来ました。 →

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ちなみに。

作者の使っているルーター・ビットはドイツ製です。作者の用途レベルとしては「良過ぎる」物なのですが。
ヤッパリ、こういうものは「外国製」に敵わないですね・・・。

「工具」「潤滑油」「電子部品」。

日本人は日本の事を産業大国と、まるで「神話」のように信じて。中には「世界でトップ」と思っている人もいるほどですが。実は専門家の意見は異なります。
ブッチャけ「自動車」だけなんですね(だけではないですけど)。

自動車は「基幹産業」なので、優れて重要ですが。
日本はあまりに「極端」に自動車だけ重要視しすぎたため、産業の「根底」をなす技術が「オイテキボリ」になり。
「頭デッカチ」で、根っこの無い。「根無し草」になってしまったのですね。

更には、その「基幹産業」さえ。ドンドン抜かれて、「オイテキボリ」状態に陥りつつありますが・・・。

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← 穴あけとタップができました。

足裏パーツの接合は、前記通り、ホットボンドか補強材でやる予定ですが。一応試しに、「瞬間接着剤」でくっ付けてみます。
ボルトがくっ付くと大変なので、他のロット棒を差し込んで、位置決(仮固定)めします。

しかし・・・。この後すぐに取れてしまいました・・・。ヤッパリ接着不可です。 →

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ボルトを締めて、組み立ててみます。

「大丈夫げ」です。ボルトの強度で、前後の足裏パーツがシッカリつながっているので。実用レベルでは問題ありません。

「どんなポーズも付けられるようになりました」。「約一年半ぶりに、ラハブさんが直った」。

「おじいさん、クララが、クララが立ったわ!」 ドール「ゴラァ!、ドサクサ紛れに何ゆーとんねん」。

「元通り、否、「骨折の心配」も無くなったので。実用レベルでは、元以上。「強化」に成功!。」です。

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問題は、ボルトが「緩んで」来ること。ですが。
母材が摩擦の大きいナイロンなので(本当は解りませんが)、どうやら緩む心配も無いようです(元々「緩み止めナット」の素材ですから)。

それに、心配なら。ここまで来ればどうにでもなります。
ホットボンドで、「かかと」の後ろ側から固めてしまっても良いですし。

足裏の補強材も、このままでも大丈夫げですが。付けようと思えば、付けられますし。このままでも大丈夫げです。

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追記PARTV

足の裏に「補強板」を取り付けます。補強板を取り付ける理由は・・・。

つま先を上げた時に、足裏骨格に「引っ張り」応力が働き、これが原因で「チギレ」たので。(つま先を下げる時は、「押す力」しか働かないので、「圧縮」応力は強い)
引っ張り強度を強化するために、当初は補強板を考えていましたが。

ボルトの。特に「つま先パーツ」のボルト穴が、かなり深く開けられ。ボルトが大変シッカリ固定され。
「つま先パーツ」と「かかとパーツ」が、「思った以上に」シッカリ固定することができました。

← パーツはシッカリ固定できたが、問題は「ボルトが緩む」こと。

しかし骨格パーツは接着剤が付かないので、ボルトが、いつ緩むか不安が残ります。
(外皮を縫合してから緩んだら、再び切開しなければならなくなる)

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で。「緩む原因」を考えてみると。

この図のように。かかとを動かした時、「つま先パーツ」と「かかとパーツ」が、「一緒に動かず」に。

万一「ズレて回転」すると、ボルトが「回ってしまう」。つまり緩んでしまう、という事になる訳ですね。

と、いう事は・・・。
「つま先パーツ」と「かかとパーツ」が、「必ず一緒に回れば(動けば)」良い。という事になる訳ですね。

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と、いう訳で。
要らないと思った補強板ですが、ヤッパリ取り付けましょう。再度加工計画を立てます。

補強板の留めボルトは。
「引っ張り強度」を高めるだけであれば、二本で十分なのですが。「回転方向(横方向)」の強度を高めるには、三点支持(ボルト三本)が必要になります。

「かかとパーツ」は、完全に露出しているのでよいのですが。問題は、「つま先パーツ」への、穴あけ等の加工方法です。
「つま先パーツ」は、外皮にいまだ覆われているので。ボルト一本くらいなら、外皮(シリコン)を「よけて」加工できそうですが。二本となると「そうも行きません」。

そうかと言って、「かかとパーツ」側に、ボルトを二本立てるほどのスペースはありません。
まぁ、やれば出来そうですが、二本のボルトは、できるだけ「間隔が開いていたほうが」、横方向への強度が増すので。ここはやはり、「つま先パーツ」側に、ボルトを二本立てたいものです。

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と、言う訳で。上写真のように。「外皮を切り取って」、ボルト加工スペースを確保します。

切り取った外皮は、再びシリコンで「付け直し」ても良いのですが。

今回は思い切って、「外皮欠損部再生」の加工方法を選択しましょう。

つまり、切り取った部分を。シリコンで埋めて、元の形状に戻そう。という方法です。

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つまり。「 CATEGORY 2 」の修復領域です。
(まだ作ってませんので、もうしばらくお待ち下さい。)

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さて、実際の加工に移ります。

← 軟質シリコンは切りにくいので、カッターの歯を「オルハ(オルファ)」してから切りましょう。作者「斬鉄剣みたい」 ドール「ハイハイ次」。

初めてホットスタッフに、自分で切り込みを入れます。ドキドキ。

カッターの汚れも、予め消毒(洗浄)しておきましょう。

とうとう切り取りました。結構「引け」てます。材料はヤッパリナイロンのガラス無しか? →

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「足裏骨格表面(足の裏側)」は、結構デコボコしているので。

補強板が「密着」できるように、平らにヤスリがけします。

この事例に限らず、パーツとパーツは、キチンと「密着」していた方が。

取り付け強度が増し。

更には、動かした時の強度も強くなるので。

たとえ今回のように接着しなくとも、パーツ同士はできるだけ密着させるようにしましょう。

ヤスリの消毒も忘れずに。

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外皮を切り取った部分の大きさに合わせて、補強板を作ります。

アルミの0.5ミリ厚。留めボルトの直径はM1.0です。

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ボルトの長さは・・・。
あまり長くすると。さっき、足裏パーツ結合のためにねじ込んだ。M1.7のボルトに当たってしまうので。3ミリ長のものを使います。

加工手順は・・・。

この事例の場合。止め穴位置を、寸法で追えないので。

先に補強板に穴を開け。

足裏パーツにも下穴を、「一本だけ」開け、先に「一本だけ」ボルトをねじ込んで、固定します。
(今回もM1.0のタップが無いので、ボルトを無理やりねじ込みます。下穴は、チョッとキツめのφ0.7です。)

固定した状態のまま、かかと側の下穴位置に「しるし(φ1ドリルで)」を付け。補強板を一旦はずして、しるしの位置にφ0.7でボルト穴を開けます。

もう一本も同じ要領で穴を開ければ「完成!」です。

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これで。

今度は、「かかと部分」の外皮を、パーツの大きさに合わせて切り取る訳ですが。

ボルトがトラスで、頭があまり厚みが無いので。

ここは一つ「横着」して、ボルトの頭を削って薄くして。

「外皮を切り取らずに」済ませようと思います。

ボルトの頭を削りました。 →

但し、こうすると「二度とボルトが回らなくなります」。
つまり緩めることが出来なくなる訳で。こういうのを「永久結合部品」と言います。

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かかと側の外皮を被せてみます。

完成!です。

懸念されたボルトの「厚み」も大丈夫げです。

完璧です。作者「うれしぃー。ラハブさんが復活した!、うれしい。」 ドール「・・・。あとはいよいよ外皮埋め込み。頑張ってね。」。.

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仕上げは「縫合」ですが。

これは「形成」の部類に入るので、後ほど「CATEGORY2」で取り上げます。
(あまり知られておりませんが、身体の機能回復治療は「整形」。見た目、美容のための手術は「形成」となり。言葉が逆なのです実は。)

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ドール「少し背が伸びた、右足だけだけど」 作者「申し訳ね」 ドール「ヘーキヘーキ、アクションフィギュアですもの」 作者「何言ってるか分からないよ(涙、感激)」。

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