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王 国 最 高 顧 問 団
ファミリアーレス・レギス
セ イ レ ー ン

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セラ「大佐?。」
ジュバイ「・・・。なんですか。」

セラ「わたしいままでウソ付いてたんデス。」
ジュバイ「嘘、ですか?。なにをです?。」

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セラ「故郷に「錦を飾る」なんて、ウソなんです。」

セラ「父さんはお酒の呑みすぎで既に死んでいるし。友達の女の子もみんな結婚しています。」
セラ「エジプトの女の子は、みんな子供の内から結婚して、ほとんど外へ出ないんですよ。」(注意)

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注意

この物語はフィクションです。エジプトの女性の平均結婚年齢は22才で、識字率も十五歳で60%です。

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ジュバイ「分かります。」
ジュバイ「アラクだってそうです、人権意識も薄いし。悪く言えば、妻は旦那の所有物のようなものです。」

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セラ「ええ。」

セラ「だからいまさら私が、「戦争で手柄を立てたのよ」なんて・・・。」
セラ「所帯を持っている旧友に会いに行っても、むこうは迷惑なだけなんですよ。」

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ジュバイ「・・・・・。そうですか・・・。」

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セラ「そう。でも。ここで大問題。」
セラ「お父さんもいない、故郷に帰っても仕方が無い。となると・・・。」
セラ「残るは。「きょうかん」でもひとつ探そうかな?、って事になる訳デス。必然的に。」

ジュバイ「はぁ。」

セラ「でも。いざ、きょうかんと再会した時。」
セラ「「大佐の死」をきょうかんに、伝えなければならなくなるんですよ。」

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ジュバイ「・・・・・。ヤッパリ。」

ジュバイ「バルナック大佐の日頃のお転婆は擬態でしたか。以前、チヨミが大佐のこと。」
ジュバイ「「あの子ほんとはシッカリ者なんじゃないかって感じることがある」ってこぼしてた事があるけど、本当だったんですね。

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ジュバイ「 行きましょう。時間がありません。」

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ジュバイ「本当は凄い洞察力だったんですね。」

セラ「そんなコトないです。普通です。」

セラ「「結婚したらこうなる」とか、「あそこへ行ったらこうなる」とか。普通の人でも考えませんか。」

ジュバイ「No」 セラ「No?」

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ジュバイ「死を目前にしたような。これ程の危機的状態では。」
ジュバイ「目の前の事しか考えられないものですよ、普通の人は。」

セラ「そうなんですか?」
ジュバイ「そうなんですよ。」

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セラ「ところでわたしの条件のお返事は・・・。まだですね。」

ジュバイ「その鋭い洞察力で、私の考えを察してくださいな。」

セラ「わー、凄く「ずるい」人だったんですね、大佐は。

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セラ「大佐!

ムハンマド・ワーキル・ハドル総司令「・・・・・。」「考えないでもなかったが。まさか本当に、ここまで君がやるとは。」

ジュバイ「ハドル指令。」「指令にはお世話になりました。ですが、本当に、撃ちます。」

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ハドル「まてまて。」

ハドル「君たちを拘束しに来たんじゃない。さっき米国防総省から連絡があった。」
ハドル「「セイレーン・バルナック大佐にコンタクトがとりたい」とね。」

セラ「はやっ。」
セラ「きょうかんの根回しが、もうアメリカまで回ってるんですか?」

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ハドル「ちがうよバルナック大佐。」
ハドル「ルーセル教官は、いまだ首都ワグダードにいる。」

ハドル「どうやらアメリカは、20機以上のF14戦闘機を撃墜した、セイレーン・バルナック大佐が欲しくて仕方がないようだ。」

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セラ「アメリカに・・・・・。やられちゃうんですかあ、わたし。」

ハドル「なに言ってんですか!」 ジュバイ「意味分かんないし!」

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ハドル「バルナック大佐とのコンタクトの交換条件としてアメリカは。進攻中のアラン軍を、停止させる事を申し出てきた。」

ハドル「もちろんこの、アラク政権は崩壊させるが。」
ハドル「占領するのはアメリカ軍が執り行う、という条件だ。」

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ハドル「そもそも、この戦いに負けたのはアメリカの介入のせいだから。政府の中には反対意見もあったが。」
ハドル「それでももし。アラクをアラン軍が占領したら、大変なことが起こる。虐殺だって起こるだろう。」

ハドル「だからアラク政府は。」
ハドル「正式にアメリカの要求を受け入れ、バルナック大佐の安全の確保を決定したんだ。

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ジュバイ「良かったですね大佐。」
セラ「ありがとう、大佐。助け出そうとしてくれて。」

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セラ「でも・・・。ここでまた問題が。」 ジュバイ「まだあるんですか?。」

セラ「きょうかんですよ。」「アラン軍の進攻が突然停止して、アメリカ軍が占領して。自由になって。」
セラ「しかも、わたしもジュバイ大佐も無事で、もし。」

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セラ「このままきょうかんに会いに行ったら・・・。」
セラ「カンの良いきょうかんは気付くと思うんです、「何かある」って。」

セラ「順番からしてアメリカの占領が先で、私たちが会って説明するのは後だし。」

セラ「その短時間でさえも、きょうかん相当動いて「悪あがき」すると思うんですよぉ。根回しとか・・・。」

セラ「ヒョッとしたら、フランス軍の旧友に連絡取っちゃうかもデス。」

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ジュバイ「確かに・・・。じゃあ・・・。どうしましょうか?」

セラ「きょうかんは解放して、私たちの安否を伏せて。しばらく放浪生活を送ってもらうしかありまセン。」

ジュバイ(チョッと違うような気もするけど、その対策・・・。まぁ良っか。)
ジュバイ「探しますよ、必死で大佐の事を。」

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セラ「そうです。でもそれしか方法が無いです。」
セラ「この陰謀を「うやむや」にして、闇に葬るためには!。
ジュバイ(陰謀って・・・・。)

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ハドル「ジュバイ大佐。」
ハドル「・・・バルナック大佐への処遇を察知して、この行動に出たのだね。
ジュバイ「・・・・。はい。

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↑ロシア極東軍に、凄腕女パイロットがいるとの情報を得て、ウラジオストクにて・・・。

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半年後。
世界中を探し回っていたチヨミの元に、ジュバイから。全ての経緯が伝えられた。
全てを知ったチヨミからの、ジュバイへの手紙。

あの時。

セラをあなたが勧誘した時。正直、あなたを憎んだわ。

でも後になって思い返して。

あなたがあの時、何が言いたかったか?。って考えて、分かったの。

あなたはきっと、あの時。

「この子はきっと、私が守る。」って思ってたに違いないって・・・。

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でも酷い。

半年もの間、放ったらかしなんて・・・。

この貸しは必ず返してもらいます。

チヨミ・ルーセル。

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本当はファイナル・ショットに「クローク」が登場する筈だったのですが。
「面白い」と思った写真がウラジオストクだったので(本当はベラルーシ)。今回は見送りました。

いずれ追記するか、差し替える予定です。

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追記。

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← オーストリア・ハンガリー帝国 「ヨーゼフ(ジョセフ)・シュンペータ」。
「現代経済学の父」とも言うべき、「知」の巨人。
企業活動のもたらす経済的波及効果を研究し、「創造的破壊」という、有名な言葉を流通させた。

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国家の中で、強大な軍事組織が形成されると、その国家は。
大きく分けて二種類の道をたどる傾向が見られる。と指摘します。

○ 強大な軍事組織構成員(職業軍人・兵士)が、軍縮を避け。軍事的優位性を政治組織に働きかけ。
むしろ「戦争状態」を積極的に進める傾向。

○ 軍隊司令官は戦争状態を否定的に判断しても。逆に。
政治組織の長。為政者・大統領・議会議員などが、「戦略的優位性」を主張する傾向。

以上二種類の傾向が見られる。と言うことです。

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ジョセフシュンペータは、膨大な数の事例を研究したそうです。高橋教授はさらに、直近の事例を例に挙げ説明されていました。
即ち。事例として、「イラク戦争」の場合は。

アメリカ軍司令部は当時、イラクとの開戦を反対していたので。
強い軍隊に過信し、大統領(為政者)が率先して戦争を始めた事例
と指摘されました。

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ジョセフシュンペータは帝国時代の科学者のため、若干。
現代の民主共和主義政体の議論にそぐわない議論が見られます。(若干古い議論)。

当サイト作者の知る限り。例えば選挙制度に対する議論の中でシュンペータは。
「国民の政治活動は、即ち選挙で一票を投じる事のみ」と語っています。

皆さんもそう信じていますね。
でも実際はそうではないのです。

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確かに、法規範囲内での「直接的」政治活動は。「立候補」「投票」の二種類のみですが。
考えてみれば、政治活動はコレだけでは無いですよね。

そう。いわゆる「団体政治」という奴です。

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実は、現代民主主義において。
特に先進国においては、温度差はあるにせよ。有権者の投票率は低く、つまり多くの国は「民意」から離れた状態で政策を決定している。

これは「驚くべき事実」ではありますが。これが現実なのです。
逆説的ではありますが、この「団体政治」こそが。投票率低下の原因。

厳密に言えば、「団体政治」の法的位置付けの「曖昧な国」ほど、投票率が低下する。
と言えるのです。

これはシャット・シュナイダー。アンスニー・ダウンズ等により問題定義がなされ。
セオドワ・ローウィ「自由主義の終焉」。デビッド・トルーマン「統治の過程」等により議論が深まりました。
アメリカの、驚くほど偏った団体政治の活動が「まかり通っている」事を見ればよく分かりますね。


↑ 銃乱射事件。軍事組織の団体ではありませんが。
国民がこれ程の不利益を被ってもなお、一部の団体(ライフル協会)が。
毎回必ず。「規制反対」を表明します。これが団体政治の一例です。

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話を戻すと。「政策主体に国民不在」。
この大前提を元に、シュンペータの議論を当てはめるとどうなるでしょうか?。

現代民主主義国家のほとんどは。軍事組織(例えば日本なら防衛省)は政治主導者になってはならない事を、憲法で明記しています。

なおかつ更に。
軍事組織からの「働きかけ」によって、政治政策に影響があってはならない事も明記されているのが一般的。

いわゆる「シビリアンコントロール」です。

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ジョセフシュンペータの時代は、まだこの文民統制の概念が熟しておりませんでしたし。
なおかつ決定的なのは。

「団体政治」の概念もほとんど無かったのです。

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団体政治の概念が本当の意味で議論されるのは、1960年代以降のアメリカ。
いわゆる「プルーラリズム(もしくはコーポラリズム)」研究からです。(上記のダウンズらの理論)

団体政治の問題点の帰結として、一般有権者に対する「合理的無知」という。
極めて辛らつな表現を用いて、理論体系の構築がなされました・・・。

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そしてこの。
「団体政治」と軍事組織の活動が融合した時。シュンペータ時代には思いも寄らなかった現象が起こるのです。

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もちろん近代軍事組織の構成員は、当然職業軍人、「公務員」なので。
政策決定主体との「兼任」は、憲法で禁止されているにせよ。

「いち個人有権者」としての人権は、当然持っており。

即ち「いち軍人の、個人の範囲内での政治活動」は、束縛されない。
むしろ保障されているのです。

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具体的には、議員・政治家に会って話をすることは自由です。
軍事色の強い政治家に一票を投ずる事はもちろん、規制法の範囲内での「政治献金」は自由です。

軍人同士が集まって組織を作ることも自由です。

当然こうした組織は、「軍事的優位性」を主張する政権を擁護するでしょう。

例えば、「憲法を改定して戦時体制を整える政権」を、組織的に支持する事でしょう。

日本国は独特の政体を持っているので。恐らく、「政治家と会う」というより。
「霞ヶ関」に働きかける事でしょう。いわゆる「霞ヶ関参拝」です。

冒頭に記した、「強大な軍事力の保有」とは、なにもその国一国だけではなく。
同盟国を含めた、パワーバランスを指し。

その国の軍隊は弱小でも、同盟関係により、強力な軍事力を持ったのと同じ状態になる。と言うことです。

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このように。

近代民主主義政体の研究は、帝国時代のジョセフ・シュンペータにとって。思いも寄らない事例だった事でしょう。

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「なぜ戦争は起こるのか?」。

なぜ日本が戦争当事国になってしまったのか?

十年後に考える事にならぬよう、七十年前の出来事。

まさにシュンペータ時代の出来事を考えてみませんか?。

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追記の追記。

今回は団体政治に対して、かなり偏った表現を使いましたが。これだけは記しておかなければならないでしょう。

すなわち。団体政治を否定、つまり「無くす」どころか。
なんらの規制をかけた時点で、その国は民主主義の名を失う
という事です。

武器を準備して集合しない限り、「集会」「「結社」の自由は、憲法で保障されているからです。

それがどんな内容であれ、です。
政府批判はもちろん、征韓論・大政奉還(天皇主権)・軍事国家論なんでもあり。
児童ポルノ推進だって、人種差別だって終末論だって当然OKです。

大統領候補でさえ「イスラム差別」を扇動しても、法に触れるものではないのです(16/6現在大統領候補トランプ氏)。

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そして。白熱する団体政治が体現するかのように、アメリカの投票率は極めて低いです。
罰則規定を設けようにも。「棄権」に対する罰則規定が、人権侵害に当たる可能性があるとの意見が体制的なのです。

「法規違反が確定するまで、何ら制約・差別・制裁があってはならない」という、徹底した人権主義がそこにはあります。
「自主規制」の名の下。ほとんど排他主義・封建社会化している日本とは全然違いますね。

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← 映画「ガープの世界」より。「公民権運動」にその身を投じた、ガープの母。

この時代のアメリカ国民は。
こうした運動に対していまだ「冷やか」な部分が否めず。
最近に至るまで、漫然とした「差別精神」に覆われていたアメリカ社会ですが。

近年になってやっと、成果が現れ。
黒人オバマ大統領擁立に成功し、今度は女性大統領の公算が拡大していますね(16/6現在)。

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実は。
近代民主主義国家を「変える」原動力。それが団体政治なのです。

中世まではこれがほぼ。「武力蜂起」のみでした。
もちろん現在も、武力行使は違反行為であっても。新政府が樹立されれば事後承諾として、その違反は新政府の憲章の元に免責されるのが一般的ですが。

国連憲章は「戦争行為」そのものを禁じていますし、国際世論は黙っていませんよね。

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では何故ダウンズらは団体政治を批判したのでしょう。

世界最高の平和憲法を取り入れたドイツで、人類史上最悪の戦争が巻き起こってしまった事実を前に、世界は驚愕し。
「自由主義」「民主主義」の抱える、深刻なパラドクス(逆説)を考え始めました。

そしてこの「団体政治」も、まさに民主主義のパラドクスの「いち形態」に他ならないと、ダウンズらは結論付けたのです。

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民主主義憲法に則って執行した事項の結果が非民主主義を生む」。

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このパラドクスは団体政治とは異なりますが。パラドクスを説明するのに簡単な例として、近年こんな事が起こりました。

アメリカ占領下で、三度に渡って行われた選挙によって。
極めて宗教色の強い、社会主義政党が出来上がってしまった事件です。

国民投票という、優れて民主主義的方策によって、極めて非民主主義的国家が出現した事実に、国連さえも成す術がありませんでした。
(国民に主権が無かろうが、軍事増強しようとも。国家であればこれに干渉するは内政干渉となります。)

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そしてもちろん現在。最も世界を恐怖にさらしている、「イスラム国」樹立も。
この事件(アメリカのフセイン政権武力行使)に無関係でない事は・・・。

誰の目にも明らかです。

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では団体政治が何故。民主主義政治の妨げになるのか?

プルーラリズムの論点は大きく分けて、「公共財不均衡」と、これにより発生する「有権者の合理的無知」という。
二つの因子により説明されました。

興味を持たれた方はぜひ、調べてみて下さい。

逆に。この事実に目を背ける行為そのもが、合理的無知を体言している。

具体的に日本に当てはめれば。

国民が合理的無知を決め込んでいれば、政府与党は団体政治に牛耳られて当然
実質的軍事政権になっても不思議は全く無い。

という事なのです・・・・。

深刻なのは、「だから選挙に行こう」等という古典的、チープな論議では解決できないのだ。
という事なのです。

まして「違憲立法審査権」がほとんど機能していない日本国においては。
これはもはや偶然ではなく、「必然」の成り行きだと。

当サイト作者は断罪させて頂きます。

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随分と、下の方になりましたが。追記です。まだとりあえず、です。
このページは、まだまだこれから。「チヨミ放浪シーン」とか。追記するかもです。

今回の追記は、いわゆる「メーキング・オブ。NGシーン」です。

ジュバイ「指令にはお世話になりました。でも本当に撃ちます」。

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ハドル「まてま・・・」 チヨミ「カーッ!」。

チヨミ「なんで。コスモ・ドラグーン、なの?。」
ジュバイ「いや小道具のセラがコレって」。

チヨミ「おかしいと思わないの」 ジュバイ「そういう台本かと思って・・・」 チヨミ「な訳ないでしょ」

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セラ「私の責任なのに・・・。私に振ってくれないんですかぁ。」
チヨミ「あまい」「それを待ってるのは見え見えなのよ」。

チヨミ「ハーロック・バージョンね・・・」「没収よ」。
セラ「職権らんよー」 ジュバイ「おお、権威主義本領発揮か?」。

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